もくじ
解動学とは、動き+解剖学の造語
解動学は動きをを分析するための解剖学知識なわけですから、単に立つ・座るといったことだけでも役立ちますし、同じ理由で全てのヨガに応用できます。
私が陰ヨガをやっているのは、体調的に激しいヨガが自分に合わないと思ったからです。
そして、実際に陰ヨガを行うようになって、様々な先生方のやり方を通してもっと身体の使い方を気にすることで本来の陰ヨガらしい陰ヨガに近づけるんじゃないかと思ったから。
これは私が習った陰ヨガの第一人者であるポール・グリリーの考えなのですが、ファンクショナル・アプローチという考え方で行っているそうです。
ファンクショナル・アプローチとは
ファンクショナル、つまり人それぞれに異なるであろう身体の特徴に合わせて、ポーズを取るということで、このポーズが正解といったことではない。という考え方です
ヨガインストラクター養成講座でも寛骨にはこんな形の人もいるし、あんな形の人もいるよ、と実際に様々なタイプの骨の写真を見せられ、この形の人は股関節を屈曲するのはキツイかもね、というように教えられました。
陰ヨガでは、人それぞれに骨の形が違うのは当たり前で、それによって股関節が屈曲できる角度がここまでしかいけない人ともっと屈曲できる人がいるとか、あまり屈曲できないときは外旋を入れると屈曲しやすくなるとか。
そういう具体例を盛り込みながら、一つのポーズに対する様々なバリエーションやアジャストの仕方を教えてくれる流派です。
陰ヨガはキープの前の体勢を見つけるところが本当のキモ
陰ヨガではポーズを大体3分以上キープするのですが、その体勢に入る前に何分もかけて色々なバリエーションを試し、自分がそのとき一番心地よい体勢を見つけて、それからキープ時間に入ります。
私はこの考え方が非常に好きですが、ちょっと気になったのは、キープに入る前に自分に合った体勢を見つけるまでのところ。
例えば、ターゲットとして伸ばすエリアが片脚の裏側であれば、片脚前屈が一般的ですが、曲げている方の脚をがっせきの状態にするハーフバタフライかお姉さん座りのようにするハーフフロッグか、倒している上体を伸ばしている脚と同じ方向にむけるか、内側に向けるか、外側に向けるか、あるいは捻じりを入れてみてもいいのです。
多くの陰ヨガレッスンでは、心地よい体勢を見つけるまでのプロセスが少し抜けてしまっているように感じます。
他の人にとってのポーズの完成形が自分の身体に合うとは限らない
私としてはバリエーションがあろうがなかろうが、ここはポーズという結果のみに縛られていると思っています。様々なバリエーションという結果、あるいは形。
あーでもない、こーでもないのときに、どう動けばあーになるのかというところまで考えられれば、本当に自分に合ったポーズを見つけられると思ったんです。
ポール・グリリーや愛弟子のジョー・バーネットの言っていることは私にとって理想的なのですが、そのバリエーションを試している間のプロセスが抜けてしまっているので、それを補完したい、という感じです
特にヨガインストラクターは自分ができるからと言って、生徒さんも同じように練習すればできるようになると限らない。ということを頭に置いておきましょう。
その辺りはポール・グリリーや愛弟子のジョー・バーネットのいうファンクショナル・アプローチによるポーズのバリエーションであると同時に、ポーズに行き着く道筋を機能的な身体の使い方(解動学)がヨガを深める助けになるはずです。