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ヨガの中でいちばん運動量が少ないのは陰ヨガ?リストラティブヨガ?【使える解剖学】

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ヨガの中でいちばん運動量が少ないのは陰ヨガ?リストラティブヨガ?【使える解剖学】

ヨガの中でいちばん運動量が少ないのは陰ヨガ?リストラティブヨガ?【使える解剖学】 1

ヨガ 目指そう!見た目に美しく、快適に維持できる姿勢

さまざまなヨガ流派の中で自分に合った流派を探す時に一つのバロメーターになるのがヨガ中の運動量。流派の中でも、比較的運動量が少ないとされている流派として、陰ヨガやリストラティブヨガがあります。陰ヨガは運動量が少ないヨガなのか?陰ヨガクラスを主宰しているヨガインストラクターのミアさんに伺います。


ヨガ 目指そう!見た目に美しく、快適に維持できる姿勢

エクササイズとしての運動量という意味では少ないですが、「何のために行うのか」という目的は流派やスタイルによって様々なので、運動量だけがヨガの基準とは思えません。運動量が少ないスタイルでいえば、どこにも力が入らないようにプロップスを使って身体を休めるリストラティブヨガなども有名ですね。ただ、リストラティブと陰ヨガでは目的が異なります。

陰ヨガは身体の特定の部分にアプローチするのが目的

陰ヨガにはそれぞれのポーズに明確なターゲットエリアがあります。例えば、片脚を前に伸ばし、もう一方を安楽座にして前屈するハーフバタフライの場合、伸ばしている方の太ももの裏側全体がターゲットエリア。

動きの多いヨガだと、思い切り伸ばして5呼吸くらいで「伸びた〜」と満足できるわけですが、陰ヨガではひとつのポーズに3〜5分、場合によっては7〜10分ほど維持するため、最初から100%の伸び感を目指そうとはしません。

陰ヨガに限らず、最初から100%を目指そうとしない。

ヨガ 目指そう!見た目に美しく、快適に維持できる姿勢

10分間のホールド、、、正直耐えられないし、維持してられないんです。


ヨガ 目指そう!見た目に美しく、快適に維持できる姿勢

10分は仰向け系のポーズが多く、大抵は3〜5分ですが、いずれにしても長時間がキツイというときは、最初から100%を目指すことに慣れ過ぎているからかもしれませんね。

軽く骨盤を傾ける程度から前屈を始めて、「何となく伸びてきたな〜」「じゃあ、もう少し角度を深めてみよう」「今は伸ばしている脚と同じ方向で前屈をしているけれど、上体の向きを内側(または外側)に移動したら伸びる場所がどう変わるかな」「安楽座にしている脚をお姉さん座り(ハーフフロッグのポーズ)にしたらどうかな」など、色々試してみるんです。

曲げている方の脚を外旋させるバタフライの方が伸びるという人もいれば、内旋させるフロッグの方が伸びるという人もいます。その人の骨の形やその日のコンディションにもよるので、その瞬間瞬間で身体と相談してやればいい。ターゲットエリア全体にアプローチできれば、ポーズは臨機応変に変形してかまいません。このように、時間をかけてその日のポジションを探して、そこから3〜10分のキープに入ります。

一部が緩むと、それに連動して全体が緩む

1〜2分のキープしていると一部の筋肉だけではなく、そこにつながる他の筋肉や腱、靭帯などの結合組織全体が伸びてきます。ガクッとよりポーズが深まって、「あ、全体が伸びてきたな」と思えることがあります。

そうしたら、それに合わせて身体を動かしてさらにポーズを深めたり、十分だと思うなら途中でポーズから抜けてシャバーサナで余韻を味わったりして、身体がしてほしいことをしてあげてください。

注意したいのが、特にポーズの取り始めや深まった瞬間に、局所的に痛い、違和感があるというケース。そういうときは少しポーズを緩めて、もう一度、自分の身体がどうしてほしいと言っているのか聞いてあげてください。

ヨガ 目指そう!見た目に美しく、快適に維持できる姿勢

日常でもそうですが、一歩下がってみる。引いてみる。ってできるようでできない。変なプライドが邪魔するせいで意外と難しいと思うんです。

陰ヨガ中での頭から尾骨までの長さを思い出すことの効果

痛いという感覚は「動かし方が不自然だよ」「無理に頑張っちゃっているよ」という身体からのサインだと思います。そしてポーズを深めすぎて痛いときは、頭が脊椎を押し下げて、首・背中・腰辺りを緊張させていることが多いんです。だから自分の軸に立ち戻って、自分の背中の長さや広さを思い出してみる。実際に、頭頂部と尾骨に触ってみるのもいいでしょう。そうすると、深まり過ぎていた前屈が取りたい方向に自然に調整してくれるものなんです。「ポーズを緩めたのにストレッチは深まった」ということもあるんですよ。

ヨガ 目指そう!見た目に美しく、快適に維持できる姿勢

一般的にヨガ中に無理をしていないか、呼吸がバロメーターになる場合が多いと思うのですが、痛みをバロメーターにするというのは呼吸よりもわかりやすいかもしれません。理由の一つして呼吸だけの場合は、呼吸が浅くなっていたとしても、そこからどうやってポーズ修正すればよいのかがつながりづらいというのがあるのではないでしょうか。

ヨガ 目指そう!見た目に美しく、快適に維持できる姿勢

陰ヨガは確かに運動量としての満足感は少ないかもしれませんが、自分の身体と相談する練習として最適なスタイルだと思います。

動きのしくみがわかる解動学入門(陰ヨガ)

毎月第1・3火曜日 11:00 – 12:15

11月の予定
2020年11月3日
2020年11月17日

【対象】
ヨガ経験者、ヨガインストラクター、身体の動きの仕組みや解剖学に興味のある方

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