もくじ
チャトランガなどで手首が痛い人は手をグーにすることで解決になるのか?
グーにする目的を考えてみると
①マットに向かってパンチを打つように、親指以外の4指の甲側をつけるやり方なら、手首から先を固めて腕の延長として使うことで、手首を使わずに腕(首まわり)に力が入る。
②小指側がマットにつくようなグーの場合は、尺骨(前腕の小指側)で支えることで手首に重みがかからず、肘からつながる胴体で身体を支えやすくなる。
①②共に、手首に負担がかからないように(痛いところを使わない)しているということですが、腕力に頼る比重が大きくなります。
そもそも人の手首から指先までの部分は、作業をするための細かい動きを繊細にコントロールするのが主な仕事であって、重たいものを支えるような構造ではないですね。
なのでプランクなどで手首が痛くなるのは単純に、手首への負荷が大きすぎるからだと思います。
腕の力が弱いからできないと思っている人も多いですが、腕で体を支えようとしていませんか?
予防するには、負荷を小さくする必要がある
プランクも頭から足先までの全身の筋肉ネットワークでバランスを取ると、手首にかかる負担は減ります。
そのためにはまず、手首を動かす筋肉は、肘から下の前腕全体にあることを知りましょう。
そして腕は鎖骨までつながっているので、鎖骨とつながっている胸骨から肋骨、胸郭全体というように次々とつながる筋肉ネットワークは、頭から足先まで続いています。その全てが協力しあってバランスを取ることによって、一部分にかかる負担は減っていきます。プランクも含め、ヨガはすべてバランスポーズなのです。
ヨガポーズを検証してみよう
手首が痛くなりやすい身体の使い方
①手のひら大きくパーにして、お腹が下がらないよう体を一直線にキープ!
②肩の真下に手首がくるように!
ココがポイント!
手首の位置は肩の真下でいいのですが、そこを意識をしすぎない。
意識しすぎると、その位置から動かしてはいけないという思いが働き、腕から首、肩周りを固めてしまい、腕や手首への負担は増えます。表層にある大きな筋肉で身体を固めてしまうと、その奥にあるバランスを取るための筋肉ネットワークは働くことができないのです。イントラさんは、全体への誘導の言葉としてわざわざ言う必要があるのか検証してみるといいですね。
手首が痛くなりにくい身体の使い方
①正座する
②頭から足先までの繋がりや長さ、後頭部の丸みなど全体を思い出してから、頭から坐骨までの上体が軽く前後に揺れて脊椎がウェーブでバランスを取っていることをイメージします。
③おじぎをするように頭が前に傾くと、腕は体を支えるために自然に前に動きます。
④指先から鎖骨までが腕だということも思い出してから、指先から順番に手のひらをマットに置きます。(手指はムリに大きく開かなくてOK)
⑤次に片足ずつ、足先から後ろに伸ばしていきます。
ココがポイント!
足先が動きをリードして伸ばしたところで、足指をついた位置を確認するように意識するといいですよ。
プランクの形ができたら、頭頂部、足うら、手のひらはそれぞれ、その先に進む方向性を、そして全身は、自分の思う中心から広がっていくイメージを持つと全身の筋肉に張りが保ちやすくなります。プランクで前後に揺れてみるのも全身のバランスを作るのにおすすめです。
手首への負担の差は明らかです!
動的なヨガポーズの時はどうすればよいのか?
ヨガの練習をしていく中でヨガポーズに区切りなく、ポーズを行う流派のものは、この意識を保ちやすいですが、たとえば、アシュタンガ等、ヴィンヤサが入る流派で応用するには、どうすればよいでしょうか?
意識を変えてプロセスを追って動くことで、使う筋肉も変わります。新しい動き方に慣れるまでは、スローモーションで練習するのがおすすめですが、早い動きの中でも、次の動作に移行する瞬間に、動きの先端を一瞬思い出すだけでも変化は実感できると思います。続けていけば慣れてくるので、早い動きでも対応できるようになっていきます。