もくじ
ラクダのポーズの由来
ヨガポーズの名前は自然界にあるものが多く、形が似ているということで、動物の名前がついたポーズがいくつもあります。ラクダのポーズもその一つです。
ラクダのポーズの効果
ラクダのポーズなど後屈のポーズは、からだの前面、胸やお腹を伸ばすことで、交感神経を刺激し、やる気が出てくる、と言われています。胸郭全体をストレッチすることで、横隔膜が動きやすくなれば、呼吸もスムーズになるでしょう。
ラクダのポーズで首の後ろが痛くなる意外な原因
痛くなる原因はさまざまであり、それを特定するのは難しいですが、誰にでも当てはまることとして、知っておきたいことは、人は無自覚に体を緊張させているということ。
慢性的なコリがあると、その痛いところを守ろうとして、「体を固める」という反応を起こすということです。その無自覚に起こしている体の緊張に気づかないまま動くと、どこかにムリが生じるので、その結果として、ラクダのポーズで首を後ろに倒す時に痛みが生じることがあります。
原因①首のつけ根や肩のコリ
二足歩行の脊椎動物である私たちは、頭の下に首があります。頭が動く方向の延長線上に、首のカーブが続いて動きます。そして、上を向く動作は、頭蓋の底と頸椎一番の動きでもあります。
上を向く滑りを起こせる首の上部は、背骨のはじまりで、その上には、5〜6キロもある頭が乗っかっていて、さらに地球には、重力があることを思い出してみましょう。
自分の想像以上に首の付け根には負担がかかり、動きにくくなっているのです。
原因②首のイメージと実際の位置や動きにズレがある
どこからどこまでが首だと思っていますか?
首に対する認識のズレが、骨格とは矛盾した動かし方をしてしまい、その無理が痛みの原因になることもあります。
もし、実際に動いている関節の場所と違うところを、一生懸命動かそうとしているとしたら、それはムダな努力であり、自ら痛みに近づいている、ということになってしまいます。
そのようなことにならないために、実際の首の位置や大きさ、その関節の動きを頭に入れておくことが大事です。
原因③首を後ろに動かす時のスタートラインが骨格どおりではない。
多くの人が、アゴの下からが首だと思って、動かしていますが、実際は、だいたい耳穴の高さで、耳辺りから体の中心に向かって進んだところから、首が始まっています。
顔からその位置(高さ)を見ていくと、頬骨の下になります。首がアゴの下からだと思うのと、頬骨下だと思うのでは、動きはかなり違ってきます。
ラクダのポーズで首の後ろが痛くなったときの最適化
まず、体のどこかにコリや緊張がないかどうかを、意識して観察してみてください。
実際の関節の位置から、首を動かすために、簡単にできるのは、視線を使って、部屋の景色を眺めるような動きで、見上げる動作をする方法です。
なぜ、見ることで動きやすくなるかというと、眼球を動かすための、目の奥の筋肉は、首の上部を動かす筋肉と近い位置にあるので、実際の頸椎の見上げる関節の位置を、動かしやすくなるのです。
ヨガの流派によっては、目線は大事なアライメントの一つとされているのには理にかなっていると言えます。
そしてさらに、全身の連動をスムーズに起こすためには、後頭部も含めた頭の立体感の丸い動き、動きは頭頂から始まっていることを意識してみましょう。
ラクダのポーズで膝立ちになったら、まず膝の辺りを見てみてください。下を向く動作を入れることで、首の後ろや腕を、動く前に体に起こっている緊張をリセットします。
下を向いたところから、頭から弧を描くように、視線を使って動いていくと、全身がスムーズに連動して動きやすくなり、その結果、首など部分への負担が減りますよ。
体を後ろに反らせそうと考えるあまり、首の後ろと腕を固めて、体の前面だけを、前に突き出す動きをしていませんか。
そのような動き方だと、よく反れる部分である、首や腰には負担がかかります。痛みは、体からの重要な情報を伝えてくれるシグナルです。
覚えておきたいプチ解剖学:頚椎の特徴
頭と頸椎のつなぎ目は、頸椎1番の小さな二点のくぼみに、頭蓋が乗っかっているような構造になっています。重たい頭の安定性と可動性のために、頭蓋と首をつなぐ大小様々な筋肉が、たくさんついています。首の後ろは、特に筋肉が固めを起こしやすい部分であり、背骨のトップである首が固まれば、その下の全ての背骨の動きやすさが制限されてしまいます。
脊椎動物の進化の過程で生き残るために、頭を動かす首の可動域が必要なことは想像できます。それだけ頸椎はよく動く部分なので、怪我も多いところです。骨格を知って丁寧に動くことを心がけていきたいですね。