ヨガインストラクター養成講座で習う1つの項目として「バンダ」があります。
難解な印象があり、感覚がわかるようになるまで練習が必要だとされています。しかし、いくら練習してもウディヤナバンダを「なんとなく」しか理解できていない場合は、固定概念による間違った体の使い方をしているかもしれません。今さら聞けないウディアナバンダについて
ヨガインストラクターのあつこさんに伺います。
もくじ
骨の構造からアポローチすると、ウディアナバンダは、かんたんにできる!
関節(骨)は筋肉より内側にあるので、骨格からアプローチすることは、まさに内側から広がることになるのです。
まずは、尾骨は頭から繋がっていて、脊椎のウェーブの一番下にあるということを認識します。さらに、脊椎は部分だけで動くのではなく、首〜尾骨までが連動して動いてバランスを取っています。
ウディアナバンダとは、内側から自由な身体の動きができること
ヨガインストラクターから、ウディアナバンダを意識するために、「尾骨を下げて、肋骨をあげて」と言われるのは内臓を含めた胴体の内側を、長い状態にしたいということが考えられます。
本来やりたいのは、内側がいきいきと動き、表面に張りと弾力のある力強い姿勢だと思います。それを上半身と下半身を繋いでいる骨盤、腰椎から意識して全身に広げていくのが、ウディアナバンダの意識です。
ウディヤナバンダのやり方はどうしている?チェックリスト
- ①両足でマットを踏みしめている。
- ②尾骨を下げるように意識をしている。
- ③下腹(骨盤あたりの筋肉)を引き入れている。
- ④肋骨を持ち上げるように、腰を長く保とうとしている。
解説:1つでも当てはまったら要注意!そのやり方は体に負担をかけているかも?
①下半身の力みは全身の自由を奪っている
足をふみしめようと力を入れすぎると、脚全体とお尻、つまりは下半身を固める動きをしています。その状態からは動きにくいので、わざわざ動きにく状態を作っているともいえるのです。
②お尻を固めてしまうと、どこかしらの体の痛みの原因に
尾骨を下げようと意識しすぎるとお尻は固まってしまいます。さらに腰や背中の筋肉も使って、骨盤ごと後ろに傾ける動き(後傾)になりがちです。
地球の上に立っているということは、抗重力筋が働いていて、脊椎はウェーブでバランスを取り続け、尾骨を下げようとしなくても、尾骨はすでに下を向いているのです。
その結果、さらに体を固める動きになり、姿勢のバランスを取るため、首や腰にも負担がかかります。やりすぎは怪我の原因にも繋がります。
③下腹を過度に引き入れるのは逆効果
お腹を引き入れる動きも、どの筋肉を使っているかが問題です。アウターマッスル(腹直筋など)を先に使ってしまうと、上半身を固める動きになり、次の動作に移るときに動きにくいし、呼吸のための筋肉も固まってしまうので、呼吸が浅くなり苦しくなることが多いです。
④肋骨を持ち上げる動きも呼吸のさまたげに
下半身を固めてから、なんとか肋骨を持ち上げようとする動きは、首の筋肉も使ってお腹だけを反らせる動きになってしまいます。そうすると、力みが上半身へと連動し首の後ろが縮んで、呼吸はますます苦しくなります。
結論:ウディヤナバンダとは、身体の使い方ではなく「状態」である
間違った体の使い方で、体の動きを妨げてしまったら本末転倒ですね。
しかし、「バンダ=締め付け」という理解が、過度な力みを生み出してしまっているように思えます。
骨格の正しい理解と、自由に動けるイメージを持つことが、ヨガを快適に練習する上で大事です。そのためには、頭から脊椎の連動を常に思い出します。
そして、骨盤を中心にして、骨盤より上は頭上に向かって、骨盤より下は足裏に向かって、一つ一つの関節に本来のスペースが広がっていくようなイメージを持つようにします。
さいごに、動きにくさを感じたら練習不足と考えるだけではなく、力を入れすぎているサインかもしれないと考えてみる事も覚えておきましょう。