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【使える解剖学】効果的に行えている?ヨガの基本、呼吸法

「自分らしく生きる」を発信。

【使える解剖学】効果的に行えている?ヨガの基本、呼吸法

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【使える解剖学】効果的に行えている?ヨガの基本、呼吸法 1

【ヨガ+動きの仕組みがわかる解動学入門ワークショップ】を毎月第3土曜日に8月より開催するあつこ先生に伺います。YOGA BASE LABという同じコンセプトでユニットをミアさんと立ち上げようと思ったきっかけを教えてください。

【使える解剖学】効果的に行えている?ヨガの基本、呼吸法 2

私とミアさんは、今も2人が通っているアレクサンダーテクニークのスクールでヨガ仲間として知り合ったのですが、そのカリキュラムの中で、動きのための機能解剖学のような学びがあって、それをヨガのアーサナで体に負担の少ない動きかたや、誘導の言葉に活かせないかと、意見を出し合うようになったことがきっかけだと思います。

もともとヨガに対する考えなどは全く違うのですが、私は違うものに対して面白がってしまうタイプなので、ミアさんの意見を聞くのをいつも楽しんでいます。

私はヨガはある意味、呼吸法だと思っています。ハートオブヨガは呼吸のためにアーサナがある、という本来のハタヨガであり、アーサナの形は重視しないので、アレクサンダーテクニークで学んでいる脊椎の動きやすさを誘導に活かして、呼吸がスムーズになればハートオブヨガの良さも実感できると思いました。

ムリのある動き方だと、体は固まって呼吸は浅くなってしまいますよね。

たとえば脊椎の中でも頸椎、胸椎、腰椎で、出来る動きと出来ない動きがあるということは、解動学の基本なのですが、ヨガのTTでは全く扱ってないところなのです。

ミアさんと話しているうちに、これは全てのヨガイントラさんに知ってほしいことだと、使命感のようなものが芽生えたのが、YOGA BASE LAB立ち上げのきっかけとしても大きかったです。

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なるほど。で、その答えがアレクサンダー・テクニークにあったのですか?

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そうですね。
生徒さん達には、さりげなく動きやすくなる誘導をしていけたらいいと思うのですが

そのためにイントラさんは知識として知っている必要があると思います。あとは私のように、動けるけれどすでに痛みやコリがあると言う方にも、自分の体をいたわりながらヨガをずっと楽しむためにも知ってほしいです。

試しに椅子でもいいので後ろを振り返る動作をやってみましょうか。

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はい。

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まずは、ヨガでよくある誘導ですが「お腹から後ろにねじって」をやって、呼吸の深さを観察してみてください。

今度は、脊椎の動きに寄り添ってやってみましょう。頭の丸み、後頭部の立体感が、脊椎の上にありますね。まわりの景色をパノラマで観ているように、見えるものや空間を認識してみましょう。頭の上に天井までの空間もありますね。忘れていたら足うらの存在も思い出しましょう。

姿勢はラクに感じる自然なままで、大丈夫です。耳の穴辺りの高さから脊椎のカーブが始まり、尾骨まで繋がってウェーブでバランスを取っているのをイメージします。

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お腹とか、下腹とか引き上げなくてもOK?

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はい。もし姿勢がシャキーンと気をつけになっていたら一回、頭を下に向けてお腹を覗き込むように丸くなってみます。そこから、ゆっくり頭が元の位置戻ってきて、それを脊椎のウェーブから全身でバランスをとり続けている意識を持っていきます。パノラマの景色が後ろに流れるように、後ろを振り返っていきましょう。そこで深呼吸してみてください。

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力づくじゃないほうがねじりが深くなりますね。呼吸もラクな感じがします。

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たぶん自然に呼吸は深くなっていると思います。

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呼吸を深めようとしていないのに、自然に深くなったのはなぜでしょう。

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まず、体を固めると呼吸は浅くなってしまいます。骨格のバランスで姿勢を保っていると、筋力はそんなに使わなくてもいいのですが 筋肉の話で説明してみると、本来の骨格の動きに基づいて動くと、脊椎に付いている細かい脊柱起立筋群をたくさん使えるので、表層に付いている体を固めて力を発揮する、大きな筋肉を使う分量が減ります。体をガチっと固めていないので呼吸のために動く筋肉も動きやすくなります。

脊柱起立筋群も動かさないと、歳とともにどんどん硬くなっていくので、意識して使っていくことが重要だと実感してますw

まとめ

ヨガの呼吸法はたくさんあり、アーサナの練習をする上で欠かせない存在である。(もっとも、生きる上でかかせないが)ヨガの練習中だけではなく仕事中のストレスを軽減してくれたり、寝る前に自律神経を整えたり、新陳代謝をUPさせたりと日常でも活かせるシーンはさまざまだ。しかし、効果的に呼吸法を行えているだろうか。深呼吸をしているつもりでも、実際には自分が思うほど腹部を動かせておらず、胸部の方だけで深い呼吸をしようとしている場合もある。これでは、せっかくの呼吸法も期待どおりの効果を得るのは難しい。

アーサナ中に呼吸を深めようと努力をするよりも、解剖学的に自分がラクで快適な姿勢を目指して行くほうが自動的に深まるのだ。(インタビューアー:高橋ちひろ)

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