もくじ
俯瞰してみるということ=身体を全体で捉える
ヨガのシークエンスの中で呼吸に意識を向けるのはもちろんですが、ポーズごとに身体の使っている部位へも意識を向けるのが一般的かと思います。
しかし、この「意識」がクセモノで、一箇所を意識するだけで、脳から「その部分を使いましょう」と指令がくるのです。この脳からの指令は一箇所に負担をかけてしまい、これは「俯瞰する」状態とは真逆の状態になっています。
それでは、俯瞰する視点でのヨガプラクティスはどういった視点なのでしょうか?
それは、身体全体を意識することです。どんなポーズでも身体全体でバランスをとっているか、ボディ・マッピングを常にしている状態が「俯瞰する」視点だといえます。
ヨガ・プラクティス中は一箇所の筋肉だけをがんばらせていないか目を光らせましょう。
意識するだけで、力が伝わる。だから、力を入れなくてもOK
ですので、一箇所だけを意識を集中させてしまうと、余分な力みを引き起こしてしまうのです。たとえば、戦士のポーズのキープ中に両足で床を踏ん張り、お腹を一生懸命引き上げて間半身に安定感を作ろうとしても、意識の集中の度が過ぎてしまい、その筋緊張が上半身にも伝わってツライだけのポーズに終わってしまいます。
このように、局所的に集中することは身体を不必要に固めてしまっているのです。ようは、アウターマッスルだけを使ってインナーマッスルを使えてない状態です。
この筋緊張は、全体の中で動きやすさが失われるだけではなく、インナーマッスルと連動して呼吸が浅くなる原因にも繋がっているのです。大事なのは、筋肉の力を入れることではなく、動く方向へ意識を向けることです。
ヨガポーズひとつひとつの動きを意識化することが俯瞰する視点の基本ではあります。しかし、考えすぎないように、力を入れすぎないようにするのがコツです。
ヨガポーズのキープ中も静止ではなく、動作の最中と考えよう
ヨガポーズ中に俯瞰した視点ができるようになると、アウターマッスルはリラックスし、インナーマッスルで身体を支えることができるようになります。
これは、身体全体の筋肉がバランスよく使えている状態であるといえます。
無意識にヨガポーズをとれば、間違いなく局所的な身体の使い方をしているはずです。ヨガポーズのキープ中は全身をくまなく観察し、力みすぎの箇所をみつけたら、他の部分でも身体を支えるように、常にヨガポーズを微調整する必要があるのです。
ラクに、負担なく動けるポイントはどこだろう?と、意識的に動くことによって、負担の違いが露呈します。この微調整こそが「動作の最中」であり、「全身くまなく観察」が俯瞰する視点なのです。
わたし達は無意識に身体を縮めています。大事なのは、広がり。
人は無自覚に身体を動かしているので、大半は動きのクセというものをもっています。育った環境、ストレスなどにより、誰でも身体に無自覚な緊張を抱えているのです。
そのクセがヨガポーズの中で、動きを妨げたり、長く練習をしていく上で身体の負担になってしまうこともあります。
俯瞰して自分を観察するということは、この無自覚な緊張やクセををみつけだし、身体のアンバランスな部分に気づいてあげるということに繋がります。