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ヨガはなぜ自律神経を整える効果がある?毎朝できるセルフケア3選

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ヨガはなぜ自律神経を整える効果がある?毎朝できるセルフケア3選

ヨガはなぜ自律神経を整える効果がある?毎朝できるセルフケア3選

ヨガをするとなぜ自律神経が整う?

ヨガをするとなぜ自律神経が整う?
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そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。それを期待してヨガを始めた人も? かく言うわたしも同じくです! そして気になる結果としては「効果があった」と感じています。

ただ自律神経が整うって、なんだか色々良さそうなのだけど、それってそもそもどういうことなの?

この記事では、ヨガをすると(これこれこんな理由で)自律神経が整う」の(丸かっこ)部分にフォーカスしてお話ししますね。

自律神経は何をしているのか

自律神経は何をしているのか
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まずはそもそも神経とは何かについて、少しだけお話しますね。神経とは、身体各部からの刺激の情報を中枢に送ったり、中枢から身体各部に指令を送ったりするための道路のようなもの。自律神経以外にも、情報を受け取る感覚神経や、運動の司令を行う運動神経などがあります。

では自律神経は何をしているかというと「生体を一定の状態に保つ」ためにはたらいてくれています。具体的には、消化、排泄、心拍や血圧の調整、呼吸、温度調節、ホルモン調節などの自分ではコントロールできない機能を司っているのです。

ただ呼吸だけは、多少ですが意識的に制御できることはもうご存知ですよね。つまり呼吸は、何の道具も使わずに自律神経に自らの意思でアプローチできる唯一の方法なのです。呼吸を大事にするヨガが自律神経に良い影響を与えるというのは妥当ではないでしょうか。

また、自律神経を整えるためには適度な運動が推奨されていますが、ほとんどのハタヨガのスタイルがこれに当てはまることからも、自律神経の乱れにヨガは役に立ってくれそうですよね。

交感神経と副交感神経のバランスが大切

交感神経と副交感神経のバランスが大切
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自律神経は、緊張感を必要とするときに活性化される交感神経とリラックス時にはたらく副交感神経の2種類の神経からなり、その多くが同じ一つの器官に分布していて、その器官を促進と抑制するなど相反する作用をします(拮抗作用)。

例えば、交感神経は心拍数を上げ、副交感神経は抑制するといったようなことで、普段は交感神経か副交感神経のどちらかだけがはたらきます。

2つのモードを上手く切り替えられず、長期に渡って緊張・ストレス状態にあると交感神経がOFFにできなくなり、動悸や高血圧や心疾患、睡眠障害、免疫低下、筋萎縮、胃痛や不眠、メンタルヘルスの低下など、色々な影響が心身に現れます。

その過活性による不適応症状がよく知られているため、交感神経そのものを悪者にしてしまう傾向もがあるようですが、長期にわたって交感神経がONにできなければ、無気力になったり、緊張感を必要とするシーンで上手く対応できない可能性につながります。

結局のところ「自律神経が整っている」とは、交感神経と副交感神経のスイッチが適切に行われ、自律神経がバランスよく作用できる状態と言えるでしょう。

呼吸はヨガのプラクティスでどんな役割を果たしているのか 

ヨガのアサナ(ポーズ)は常に呼吸とともに動きます。呼吸をすることによって筋肉が緊張することによるケガ防止といった効果もありますが、それ以上に呼吸のコントロール自体が重要視されています。

サンスクリット語で呼吸法のことをプラーナヤーマと言います。通常のヨガレッスンでは、アサナの前に一定時間を割いてプラーナヤーマの練習をします。その後のアサナの練習では、吸う息で行いやすい動き、吐く息とともに行った方が心地よい姿勢などを探り、呼吸の深さや速さをコントロールし続けます。

さらにレッスンの最後には全体の1割程度の時間を割いてシャバーサナと呼ばれる仰向け姿勢で何もしない休息のポーズを行います。

(もちろん呼吸の制御は初心者のうちは意外と難しいです。でもそれはヨガも料理もピアノも水泳も車の運転も同じこと。練習していればつかめるようになります。気長に練習しましょう)

1度の練習の間には意識的な呼吸、動きを伴う呼吸、そして呼吸への意識を手放すということ、という呼吸との3つの向き合い方が含まれています。

こうやって概観すると、ヨガのプラクティスは、意識的な呼吸のコントロールを通じて交感神経と副交感神経を何度も切り替えていることがわかります。ある意味ではヨガの練習は自律神経のスムーズな切り替えの練習と言ってもいいのかもしれません。

自律神経のはたらきを高める朝の過ごし方3選

①朝日を浴びよう

①朝日を浴びよう
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ヒトは本来、昼に交感神経が優位になり、夜になれば自然と副交感神経が優位になるようにできています。この概日リズムと呼ばれる体内時計は、セロトニンとメラトニンという2種類のホルモンが調節しており、その分泌は光刺激によって変化します。

光を浴びることによりセロトニンが放出され、夜に分泌して眠りを促すメラトニンの成分となります。朝日を浴びないと眠くなるホルモンを作ることができないなんて困りますよね。天気が悪い日が続く場合は電気の光でも大丈夫ですよ

②起きたら一杯の白湯を飲む

起きたら一杯の白湯を飲む
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多くのヨガの先生が実践している朝のお白湯ですが、熱いものではなく常温または沸騰した後に5~10分ほど覚ました白湯をゆっくりと飲みましょう。最初の一口でうがいをし、寝ている間に繁殖した口内の雑菌を流してから飲み始めるのもおすすめです。

寝ている間は胃腸のスイッチがオフになっているので、白湯による適度な腸の刺激が自律神経を刺激して体内時計リズムが整います。朝の速やかな水分補給を習慣にしてみましょう

③朝ヨガをしてみる

朝ヨガをしてみる

自律神経を整えるために適度な運動は不可欠です。座り時間の長いライフスタイルは過度な塩分や高血糖、アルコールなどよりも死亡リスクとして深刻なのだとか[1]。 運動不足による血流の悪化は自律神経の乱れの大きな要因です。

強度の高い運動を趣味として行っている人も、日常のちょこちょこエクササイズは趣味をより楽しめるものにしてくれるでしょう。朝に少し運動をしておくと1日の動きがスムーズになりやすく、肩こりや頭痛、むくみや冷えなどのプチ不調の改善も期待できます。伸びをして前屈や捻りを行うなど、ひとつふたつちょっとした動きが入るだけでも違いを感じることもあるはずです。

エピローグ

先天的に自律神経のはたらきが弱い人もいれば、季節の変わり目や更年期など時期的に避けにくい場合もあります。朝の過ごし方は何もかもを解決するものではありませんが、トライする価値があるものばかりです。どうぞ参考になさってみてね!

春の不調を吹き飛ばせ! ビギナーさんでも無理せずできる自律神経を整えるヨガポーズ3選 by Svaha Yoga

参考文献)

[1]Guthold, R et al., Worldwide trends in insufficient physical activity from 2001 to 2016: a pooled anaktysis of 358 population-based surveys with 1.9 million participants (2018) 
https://www.thelancet.com/journals/langlo/article/PIIS2214-109X(18)30357-7/fulltext

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