Now Reading
立ち木のポーズの新しい指導方法!精神的な安心感はバランスポーズの安定感に繋がる|ヨガインストラクター・スキルアップ講座

「自分らしく生きる」を発信。

立ち木のポーズの新しい指導方法!精神的な安心感はバランスポーズの安定感に繋がる|ヨガインストラクター・スキルアップ講座

ヨガ 立ち木のポーズ ヨガポーズ

立ち木のポーズは、苦手意識あるとそれが緊張となり、バランスが取りにくい身体の状態になっている場合が多いです。

苦手な人が多いのは、止まって前を向いているので、つい周りのの人を見て自分と比べてしまい、出来ないと恥ずかしいという心理状況になることがあげられます。もう一つには、グラグラしてしまうこと自体に慌ててしまうことが考えられます。

筋力も柔軟性もそんなに必要ないポーズなので、ヨガインストラクターは苦手意識を減らす誘導を心がけたいですね。

立ち木のポーズができない一番の問題点は、苦手意識

ヨガインストラクター 山本あつこ

ポーズをやる前から、またこのポーズやるのか!いやだなー。と思っている生徒が意外と多いことをご存知ですか?

そう思ったとたんに、生徒の身体は緊張しています。思考の力は想像以上に強力で、そう思うだけで首、脊椎の押し下げが起こり、身体が固まります。

身体(脊椎)はいつでも繊細に揺れながらバランスを取っているので、身体がぎゅっと固まると、バランスは上手く取れなくなるのです。

マニュアル通りの誘導は部分にフォーカスするものが多い

よくある誘導では、頭から吊られている、足裏三点で床を押す、一点を集中して見るなど、部分にフォーカスするものが多いですが、その特定の部分に力が入りすぎると、全身で(揺れながら)バランスを取りにくくなることがあります。

ヨガインストラクターはその事を認識して、誘導でそうさせないように気をつけたいところです。

バランスポーズの精神的なハードルを下げる言葉選びをする

たとえば、その場で歩く動作をスローモーションでやってもらって、歩く動作も一回一回、片足立ちになっていますよね。と言葉をかけて、片足立ちは、日常でやっている普通の動作であることに気づいてもらいます。

立ち木のポーズでキープせねば!という一つの事にこだわる意識から、視野を広げて思考を柔軟にしてもらうのです。

「足踏み動作で、右足が上がっているところで止めてみましょう」とやってみて クラス全体に緊張感が漂っていたら、そこまでの練習にしておいてもいいと思います。

もう少し出来そうなら、上げている足先を揺らしてみたり、膝を抱えてみたり、その延長線上に、立ち木のポーズがあります。

あとは、揺れながら衝撃を吸収している免震構造の話をしたりします。バランスを取るときの身体は、揺れながらバランスを取る免震構造であり、耐震構造ではないのです。

イメージすることと身体の使い方は、繋がっている

イメージすることは、全体が映っている映像を思い浮かべている状態です。

考えようとして内側に意識が向きすぎているとき、一部分に集中しすぎる時には映像はなく、身体は固まる傾向になります。

立ち木のポーズで、一点集中しているときは映像がないので、ポーズをしながら揺れている自分全体を映像としてイメージすると身体は動きやすくなり、その結果、バランスも取りやすくなります。

イメージできる(免震構造)と思考が現実化する=(免震構造)のような身体の使い方ができる

心の余裕を意図的に作ってあげる。すると、できるようになる

木のポーズで足に意識が行き過ぎると、下を向いてしまいます。下を向いている生徒には、今いるスペース全体を、立体的にパノラマ映像のように見渡してもらいましょう。

まずは、余裕がないから周りなんて見渡せない!という気持ちを共感してあげることが大事です。その次に、少しずつ意図して真下から少し斜め前、左右も少しずつ、、、とその時にできる範囲で余裕を作ってもらいます。

ヨガインストラクター 山本あつこ

少しずつ段階追えば、必ず見渡せるようになる!

見渡せる余裕ができたら、そこからさらに、できるようになることが増える!に繋がっているのです。足は上げなくてもいいから、まずは周りを眺める余裕を生徒に先に意識してもらってください。

ニッコリ微笑んでもらうのもあり。でも、補足説明も必要

立ち木のポーズの最中に、みんなの険しい表情を見て、ヨガインストラクターが「笑ってー」と言うことがありますが、唐突に笑ってと言われても、生徒がなぜそれが必要なのかわからないと、効果が伝わりにくくなります。

それではもったいないので、必ずその言葉の意図も、一緒に伝えましょう。

「ぎゅっと噛み締めてると、首(身体)が固まってバランス取りにくいから、あご緩めるために、笑ってみましょうか。」など、理由が明確になると、生徒の知識にもなるし、積極的にやってみようという気持ちにも繋がります。

ヨガインストラクターは、生徒がなぜ緊張してしまうのかを掘り下げ、安心感を作ってあげよう

シールシャ(頭立ち)などがいい例ですが、まだ慣れない人が壁のそばでやると、いつもより上手くできますよね。
ただ壁がそばにある。その精神的な安心感だけで人の動きは大きく変わるのです。

壁を使って立ち木のポーズを練習してもらうのは、安心感が生まれ、緊張をといてもらうきっかけになります。外ヨガでないかぎり、壁も1つのプロップスと考えるのもアリです。

安心しているというのは、身体に過度な緊張がない状態であり、動きやすいしバランスも取りやすくなります。

ヨガに限らず、苦手意識があることを克服するときは、時間がかかるのは当たり前だと本人が自覚していくことも重要です。

今はまだできなくてもいい、と安心感を生徒に与えられる言葉をヨガインストラクターは選んでいきたいですね。なぜなら、心の安心感は身体の安定へと繋がるからです。

アレクサンダーテクニーク・姿勢ヨガ

毎月 第3土曜日11:00 – 12:15

【対象】
ヨガインストラクター、アレクサンダーテクニークに興味のある方

© 2021 HASYOGA Magazine. All Rights Reserved.