もくじ
「余計な力を抜くこと」と「脱力」は同じではない
余計な力を抜くこと=脱力 だと認識しているヨガインストラクターが多いですが、根本的に身体の使い方が異なります。
「脱力」の本来の意味とは
「脱力」とは、全身の力が抜けていることですから、シャバーサナ以外では、そもそも不可能な身体の使い方なのです。
ここで、「脱力」を「ぐったりしてー」と置き換えてみたら、どういう印象があるでしょ うか?
「脱力して」は抽象的な表現である
言葉の影響力について注意深く考える必要があります。このように、本来の意味とイメージに少しズレがある表現の取り扱いには、注意が必要です。確かに抽象的な表現は、一見便利ではありますが、一方で勝手な思い込みでの動きになる可能性が高くなります。
「脱力して」という表現だけでは身体の使い方に誤解を生むという事実
本来は、身体全体に対しての言葉でありますが、先行しているイメージはなんとなくリラックスできそう!ということではないでしょうか。この「なんとなく」リラックスできそうな表現は、言葉の解釈が人それぞれで、捉え方が変わってしまうという問題が起こるのです。
例えば、合蹠のポーズで「脱力して」とヨガインストラクターが言ったとき、インストラクターの意図しているイメージと生徒さんが捉える「脱力」にズレが生じている事は少なくありません。
ヨガインストラクターは、上半身の余計な緊張を解いてほしいという意図だったとしても、インストラクターの動きだけを真似して骨盤が後傾しているだけで、肩にキュッと力が入ったままという生徒さんもいます。
どこの「余計な力を抜く」のか、目的をはっきりさせる2ステップ
「どこ」の力を抜くために「どこの」部分を「どう動かして」と誘導すればよいのか?
例えば、
「肩周りの力を抜いてほしい」場合、「呼吸とともに脱力して」という曖昧な表現だと、下腹部に力が入った状態で背中の大きな筋肉を緩め、骨盤が後継するだけの動きになりがちです。
ステップ① 実際に身体のどこをどうしてほしいのかを明確にする
たとえばレッスンの最初に、スカアーサナで首まわりの緊張をほぐしてもらいたいと思ったら、首は、頭と鎖骨、肩甲骨の間にあるので、鎖骨と肩甲骨の動きをよくするために腕を動かします。
鎖骨を触ってもらい、胸鎖関節から肘を回す動きなどおすすめです。 そのあと、首まわりの筋肉をゆらゆらほぐすために、頭を下に向ける誘導をしてみましょう。
ステップ② 骨格の動きに沿った具体的な誘導をする
例)頭頂部から頭がゆっくり前に動きだすと、自然に下を向いています。その頭の重みに脊椎(首、頸椎〜)が上がら順番についていき、(その結果)上半身は丸く下向きCカーブを描いていきます。
具体的な身体の使い方の表現をする
ヨガは個を重んじているので、自分で動きを選べるようにと曖昧な表現が多いのですが、アーサナをがんばりすぎる傾向にある近年のヨガには、「機能的な動き」という視点でのヨガ指導が、必要となってくると思います。
YOGA BASE LABでは、解剖学の中で骨格の動きに沿った動きを一般の方にもわかりやすく伝えるために「解動学」として発信しています。
痛くて辛い動きでも、いつかできるようになると信じてムリを続ける生徒さんがいるかぎり、ヨガインストラクターには知ってもらいたい知識です。
怪我をさせないテクニックは実践的な解剖学の知識
ヨガを長く続けて腰痛になる原因の一つには、動きを勘違いしている場合が多いのです。その勘違いを減らすには、筋肉の位置や名前を覚える前に、基本的な骨格の動きを知ることが有効です。
そのためにYOGA BASE LABでは、骨格の動きを一般の人にもわかりやすく学べるように「解動学」を考案して発信しています。ヨガのやりすぎによるケガを減らしたいと願っているすべてのヨガインストラクターさんに知ってもらいたいです。
アレクサンダーテクニーク・姿勢ヨガ
毎月 第3土曜日11:00 – 12:15
【対象】
ヨガインストラクター、アレクサンダーテクニークに興味のある方