バランス系ポーズの基本である木のポーズ。片足でバランスを取ろうとつい力んでしまって、呼吸が浅くなっている生徒さんを見かけます。
基本である体幹ももちろん大事ですが、体幹ばかり意識しすぎてしまうと、全体的に力みすぎてしまい、結果、快適に木のポーズを取ることが難しくなります。
ヨガレッスン中に生徒さんに力ませる事なく、快適に木のポーズをとってもらうためには、身体のどの部分でバランスを取るのかを知ってもらう必要があります。
見落としている意外な部分があるようです。
解剖学のおさらいと効果的な準備運動(ストレッチ)を理学療法士の木村さんに伺います。
今回は片脚立ちで膝を曲げる『木のポーズ』でふらつかないようにするには、身体のどの部分を意識し、効率的に使えば良いのかをお伝えしていきます。
木のポーズで鍵となる関節は股関節と足関節
木のポーズは上図のように、片脚立ちで膝を曲げて両腕を上げるポーズです。このポーズでは片脚立ちがふらついてできないという方が多いのではないかと思います。片脚立ちの際人間は姿勢を保持する戦略として、足関節と股関節でバランスを取ります。た股関節は大きく身体が揺れてしまった時に使いますが、基本的には足関節での姿勢制御がメインになります。
そのため、片脚立ちを安定させるためには、足関節でうまく姿勢を制御できるようになる必要があります。
解決方法1:ふらつく原因は足首!足関節の柔軟性が高まると土台が安定する
ここで第一に必要なのが足関節の『骨としての安定』を確保することです。
『骨としての安定』とは?
足関節は下腿の骨と距骨という丸い骨が組み合わさってできています。
また距骨は末端側が太く、手前側が細い構造になっているため、足首を上に曲げた時に下腿の骨のほぞ穴に距骨がはまって安定する構造になっています。
よって、足首が手前に曲がる角度が狭い方は足関節の『骨としての安定』が確保できていないために片脚立ちがふらついてしまっている可能性が高いです。
皆さん、踵を着いたまましゃがめますか?できない方は足首が硬いので、以下のエクササイズがおすすめです。
距骨押し込みエクササイズ
- ・片膝立ちでしゃがみます。
- ・両手で立膝をしている側の足首を掴み、両手の親指を足首の前側に置きます。
- ・身体を前に倒して立膝をしている側の足首を曲げながら、両手の親指で足首を後下方向に押し込みます。
意識するポイント
- ・距骨を後下方向に押し込むイメージで身体を前に倒していきましょう。
- ・足首は脱力してやることがポイントです。
この準備運動を取り入れることによって、足首の柔軟性が高まり、木のポーズでバランスを取る時に意識を向けやすくなります!