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上向きのプランクポーズ (プールヴォッターナーサナ )「首が痛い場合は無理をしないで」だけの誘導になってない?|ヨガインストラクターのためのスキルアップ

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上向きのプランクポーズ (プールヴォッターナーサナ )「首が痛い場合は無理をしないで」だけの誘導になってない?|ヨガインストラクターのためのスキルアップ

上向きのプランクポーズ (プールヴォッターナーサナ )「首が痛い場合は無理をしないで」だけの誘導になってない?|ヨガインストラクターのためのスキルアップ 1

 

ヨガインストラクター 高橋ちひろ

ヨガクラスに参加していただく生徒さんの体の状態は千差万別です。よって、同じヨガポーズでも痛みがでてしまう体の部位もさまざま。ヨガインストラクターとしては、全員に快適にヨガポーズをとってもらいたいから、怪我の予防のためにも「痛みを感じる場合は無理をしないで」と誘導で伝える事が多いのではないでしょうか。しかし、この「痛み」じつは誘導の仕方1つで変わるとしたら?今回は痛みをもっとも感じやすい部分の1つ「首の痛み」についてヨガインストラクターのあつこさんに伺います。


首の後ろ側に痛みが出やすい代表的なポーズ

  • 上をむいた犬のポーズ
  • 上向きのプランクポーズ (プールヴォッターナーサナ )
  • キャットアンドカウ(上を向いた時)

まずは解剖学のおさらい!頚椎とその周辺のつながり

腕の動きと首の詰まり(痛み)は一見、関係なさそうに見えるかもしれませんが、実はとても繋がっている部分です。

「鎖骨、肩甲骨までが腕」という話は以前もしましたが、首(頭)を動かす多くの筋肉は、頭蓋〜肩甲骨、頭蓋〜鎖骨と繋がっているので、頭と首と腕は、骨だけでなく、筋肉でもしっかり繋がって、お互いを引っ張り合うような関係になっています。

腕に力を入れすぎると、鎖骨、肩甲骨周りの筋肉にも力が入るので、そこに繋がっている首の筋肉にも力が入り、首が詰まる状態になるのです。なので、手のひらをマットについて腕を伸ばそうとマットを強く押したり、手のひらを大きく開こうとしすぎると、首が詰まって動きにくくなります。

頚椎(首周り)の詰まりは腕の動かし方で決まる

座ったままで腕を動かして試してみましょう。

検証その1:ヨガポーズ中に首に痛みがでる時の上半身の状態

①両腕を前に伸ばして(前へならえ)、手のひらパーにして床を押すようなイメージで手のひらを前に押す
②その状態のまま、上下左右に頭を動かしてみます。

解説:手から腕にかけての力みは首まで連動してしまう

腕に力を入れすぎた状態では、鎖骨、肩甲骨の位置は上がり、首の後ろが詰まって縮んでいます。
頭のすぐ下にある首(頚椎)が詰まって動きにくいと、脊椎全体の動きも制限されてしまいます。たとえばそこからダウンドッグをやろうとすると、動きにくいのがイメージできるのではないでしょうか。

検証その2:首の痛みがなく快適に体が動かせる時の上半身の状態

①まずは、どちらかの腕の指先を見てみましょう。指先は下の方にあるので、顔は下を向いています。その指先の動きを眺めながら、指先が前に動きだすと腕は上がっていきます。片腕ずつ動かして、両腕を前に伸ばします。
②そこから、上下左右に頭を動かしてみます。

解説:指先だけにフォーカス!丁寧に動くことで解決!

指先から丁寧に動くことで、動きはじめに腕全部の重みを持ち上げなくていいので、首の筋肉も最初からたくさん使うのではなく、腕を動かすために必要な分だけの力を使えるので、首の詰まりは軽減できます。
いい姿勢を作りたくて、背中が反りすぎている人が多いのですが、反りすぎの姿勢からだと腕は動かしにくいので、下を向いた姿勢から動きだすのは、簡単にできる反りすぎ防止策になりますよ。

ヨガで大事な呼吸とも連動

頚椎が詰まった状態では、まずはとても動きにくいということ、そして、鎖骨、肩甲骨の内側は胸郭なので、胸郭が動きにくいということは、呼吸も苦しくなったり浅くなるということです。

戦士のポーズ2も注意が必要!

戦士2は両腕を大きく横に広げますが、首が詰まった状態で、苦しそうにキープしている人が多いです。そんな時は、腕の動かし方と首の詰まりの関係を思い出して、下を向いた姿勢から、指先がリードして丁寧に腕を動かすだけでも、首の詰まりも呼吸も改善すると思いますので、ぜひ試してみてください。

アレクサンダーテクニーク・姿勢ヨガ

毎月 第3土曜日11:00 – 12:15

【対象】
ヨガインストラクター、アレクサンダーテクニークに興味のある方

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