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ヨガの心地よい感覚を生徒さんに受け取ってもらいたい。どうやって誘導する?ヨガインストラクターのスキルアップ

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ヨガの心地よい感覚を生徒さんに受け取ってもらいたい。どうやって誘導する?ヨガインストラクターのスキルアップ

ヨガの心地よい感覚を生徒さんに受け取ってもらいたい。どうやって誘導する?ヨガインストラクターのスキルアップ

「感覚を受け取る」をどう捉える?

ヨガをしているとよく「感覚を受け取るだけでいい」というようなことを言われると思うのですが、慣れていない生徒さんにとっては誤解を招くことになり得る表現ではあります。

感覚を受け取ろうとすると、その感覚を覚えようとしてしまう。「あのときのあの感覚」がどうしてもその後の基準になってしまうです。そして次に感覚を認識しようとすると、「あのときのあの感覚を再現したい」に走りがちなんです。

同じ感覚は二度と味わえないを受け入れる

残念ながら、感覚は毎回毎回が違うものです。なぜなら、感覚を受け取る私たちの身体は日によって、時間によって、環境によって変わるから。

また、一度、体験してしまえば、身体はその感覚に慣れてしまうため、基準となる記憶の中の感覚と同じ質と量の感覚は二度と味わえません。それが初めての感動や衝撃であれば、なおのこと。つまり、感覚による評価を基準にすることはあまり当てにならないんです。

また、一度、体験してしまえば、身体はその感覚に慣れてしまうため、基準となる記憶の中の感覚と同じ質と量の感覚は二度と味わえません。それが初めての感動や衝撃であれば、なおのこと。つまり、感覚による評価を基準にすることはあまり当てにならないんです。

例えば、トリコナーサナで「初めてしっくりきた!」という感覚があったとして、この感覚を追い求めるように無闇やたらに練習してもあまり意味はないでしょう。毎日練習したとしても、本人が納得できるような「しっくり」感とはなりません。

ヨガ・プラクティス中に得た過去の感覚に捕らわれるのはやめよう

だから、感覚を追い求めずに、「今日は今日のしっくり」でいいとヨガインストラクター自身も腑に落としておく事が大事です。
「感覚を受け入れる」というのは、同じヨガポーズでも毎回違う感覚を受け入れるという意味だと思っています。

「しっくりきた」という感覚を覚えておくより、「しっくりきた」ときに「どのように身体を使ったか」を覚えておいて、感覚という結果より、どう行ったかという過程(プロセス)を重視するというわけです。

また、生徒さんが「痛い」とか、自分にとって効果が得られないというような感覚だった場合、それに対する対応策をヨガインストラクター自身で考えるということも大切です。どんな感覚を受け取ったとしても、その後の行動を自分で考えられるようにするという思考のトレーニングをするんです。

「痛いと感じたときは腕をこう挙げたから、今度は違う方向から挙げてみよう」など、具体的な身体の使い方の誘導になるはずです。

このように、まずはインストラクター自身の身体で起こっていることを観察して分析し、その対応策を実験するということを繰り返してみるんです。

身体の使い方にフォーカスをして毎回違う感覚を味わえばいい

同じプロセスでやっているつもりでも、その日のコンディションなどにより、身体の使い方は微妙にことなります。1分前と1分後でも違います。だから、結果として得られる感覚も随時変わります。

それ故に、生徒さんに耳を傾けてもらうのは「今、自分が身体をどう使っているか」ということだけなんです。

自分の身体に対する観察・分析・実験を重ねていると、「あ〜、私はこのポーズでここを伸ばしたいんだ」という隠れていた目的が現れて、それに対して身体をどう使えばいいかという対応策をヨガクラスに還元することができるようになります。

ヨガインストラクターの心得:ヨガポーズの誘導を具体的な表現でできるように心がける

抽象的な言葉にすると自分の身体の使い方もそれに合わせて適当にごまかしてしまう危険があります。

ヨガインストラクター自身が正しい身体の使い方を理解していないと、あやふやな身体の使い方の指示しかできなくて、生徒さんは余計なところに力が入ってしまう可能性がでてきてしまいます。

できるだけ、ヨガインストラクターは具体的な身体の使い方を自分に指示をする練習を重ねるとよいでしょう。

見た目の正解ではなく、身体の使い方の正解を探求しよう

ヨガインストラクター自身がヨガポーズを見せるだけの誘導に頼ってしまうと、生徒さんによっては「今の私は心地よくなれているのかな?もっとこうした方がいいのかな?」って、自分をジャッジし始めて、余計な緊張を強いることもあるかもしれません。心地よい感覚という結果だけを追い求めて、それに至るプロセスを無視してしまうはめになります。

「心地よい感覚」はあくまでも結果にすぎません。正しい身体の使い方をヨガインストラクターが誘導することができれば、生徒さんは「心地よい感覚」を受け取ることができるのです。

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